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“Is this a smallworld?”
 本展は、去年の九月に行った“This is a smallworld !”展が都合により短期間で終わったため、年初来、再構築中であった本ギャラリー Mechanism の完成に併せ、タイトルを“Is this a smallworld ?”と疑問形に変えた上、展示期間も1ヶ月に延長し、敢て広く皆様の御批判を仰ぎたいと企画したものです。期間中の御光臨を賜りますれば幸いです。なお左作品の他、http://www.k4.dion.ne.jp/%7Egekko/gallery.html
にアップしておきましたので、よろしかったら御覧になってください
 さて、御覧になってお分かりの通り、展示作品はすべて繁華街等で路上に飲み捨てられ、車にひかれてぺっちゃんこになったアルミ缶、スチール缶です。
 これは荒木経維氏の“ペっちゃんコーラ”等でお馴染みのモチーフですが、荒木氏と異なるのは、荒木氏の場合、あくまでも「写真機による複写撮影」によるものですが、本展示作品はスキャナーでスキャンしたものです。
 私はスキャナーのメカニズムについて詳しくは知りませんが、レンズ自体が対象の上を動いて、対象の情報を得ているという意味ではパノラマカメラに似ているように思います。ただし、パノラマカメラの場合、対象との間に距離がある。つまり、パノラマカメラのレンズは通常のカメラと同様に、対象のイメージ(全体性)を作成する機能を負っています。
 これに対しスキャナーのレンズはそのような機能を負っていません。何故なら、「コンピュータでは連続的な値は扱えないので、画像なども量子化して扱う必要がある」(ウィキペディア)からです。
 すなわち、スキャナーのレンズは、対象を微細な非連続的要素(日本語では画素、英語ではピクセル)に分割する(これが、所謂「量子化」です)役目を担っているのであって、「イメージ」はその「結果」にすぎません。(*1)
 たとえば、本展示作品は、一つあたり、スキャンに15分〜20分かかっていますが、この時間を1時間、2時間、1日……と、どんどんのばしていけば、理論的には、「対象」はこれ以上分割不可能な最小物質単位、「素粒子」にまで分割され得ることになります。もちろん、あくまで「理屈では」ということですが、いずれにせよ、こうして、たとえば「スチール缶」をどんなに大きくしていっても、それは写真で言うところの、「引き伸ばし」ではないので、どんなに大きくしても、「ぼける」ことはなく、それどころか、逆に果てしなく精緻になっていって、その結果、まったく意想外の、非現実的といってもよいような様相を呈して来ます。喩えて言えば、「対象」が大きくなればなる程、相対的に、我々はどんどん小さくなっていくのです。
 喜劇映画の人気コンビ、ローレル&ハーディの1930年の映画『底抜けちびっ子騒動』(ローレル&ハーディが小さな子どもになって騒動を巻き起こすドタバタ喜劇)の写真(上)のように。(潮田 文)
(http://www.i.hosei.ac.jp/~yosimura/Lookingatlooking.html より)

            Is this a small world?...or...?

(*1)「視知覚情報の大部分は、われわれの意識にとってアクセス不能であり、われわれは、たかだかその処理の結果(=出力)を知覚現象として経験するにすぎない」(『サブミナルマインド』中公新書、下条信輔著より)